2008/11/17
1,300年でも新築
日本の木造建築ってほんとうに奥が深く興味深い・・・と思います。
なぜ、日本の風土では木造が適しているのか、
なぜ木造であらねばならないのか、
地震大国・高温多湿・雪降る厳冬期もある日本の家と
同じく寒いといわれるカナダや北欧、また、ヨーロッパやアメリカなどとは
気候や湿度、地質、地震の有無までちがうわけで、
それを日本で真似て建てても、本質が違うのは明らかだと思うのだけど
ファッションと同じように海外のものを持ってきてもOKと考えていたこともあった
学生時代の自分を反省。
そんなこんなで改めて、木造建築を調べていくと、どんどん視界が開けて
頭の中に、がいっぱいでてきます。
例えば、「日本建築のデザイン史」をひもとくと
伊勢神宮のことから始まり・・・とここで、いきなり脱線です。
1,300年でも新築?!の伊勢神宮の歴史はすごいです。
神話の世界で最高神といわれる天照大神をお祭りする伊勢神宮の
正式名称は「神宮」つまりすべての神宮・神社の中心的な存在です。
現在の社殿は、1993年の完成で、2013年、新しく生まれ変わります。
この伊勢神宮は20年に一度、神殿・鳥居・橋からお供え物の調度品まで
新しくしているそうです。
これを「式年遷宮」と言い、この行事が1,300年もの間、連綿と続けられているとのこと。
エコとは、逆行?!と思いつつ、よくよく読んでみると
・保存食の最大保存年数が20年
・神殿を建替える技術を伝えるのにもっとも適した年数など理由はいくつかあるそうですが
永遠に若さを保つ「常若」の思想が神道のなかにはあって
20年に一度の遷宮によって、命を再生するという意味があるそうです。
持統天皇の時代から20年に一度の建替えを変ることなく行ってきているとのこと。
ちなみに、解体したのちの木材は、鳥居を作る材料になったり
それぞれ行き先がきまっているそうです。
「エコ」と騒ぐず~~っと前から、神宮そのものが永遠のリサイクル
システムのなかにあるようです。